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ことばの交差点 31

  • 執筆者の写真: 矢野修三
    矢野修三
  • 2025年8月26日
  • 読了時間: 3分

                   日加トゥデイ 2025年8月号 掲載


☆    漢字「跪く」に、ひざまずく ! 

 

先日、久しぶりに日本が大好きな日本語上級者からお呼びがかかった。彼女、この春に日本に行って、大阪万博なども見学してきたとのこと。京都などの観光地も人がすごく多くてびっくりしたようである。さらに、こんな質問が続いて、こちらもびっくり。「先生、ひざまずく(跪く)の漢字に、なぜ危険の「危」が入っていますか?」である。


彼女はとても漢字に興味があり、以前にも、いろいろな質問が。例えば、「玄米」と

「玄関」、全然関係ないのに、なぜ「玄」ですか?や、「練習」の「練」は、なぜ「東」ですか?など。うーん、と思わず唸ってしまう、日本人では考えもしない質問で、先生泣かせの生徒でもある。日本でこの「跪く」という漢字を知って、質問を思いついたとのこと。


彼女はクリスチャンなので、日曜日のお祈りに、教会で跪く(ひざまずく)こともあるようで、そんな神聖な動作の漢字に、「危」が含まれているのが、不思議に感じたらしい。なるほど。


実は、同じような質問をバンクーバーに移住して間もなく、日系二世の方から受けた経験があり、当時はこの漢字「跪く」の読み方すら全く分らず、日本語教師として、とても困った、苦い思い出がある。


確かに、この漢字は常用漢字ではないので、新聞などは、ひらがな書きの「ひざまずく」であり、普段、目にする機会はほとんどない。故に、日本人でも馴染みがなく、難読漢字。そんな漢字「跪」に、なぜ「危」が入っているなど、想像もつかない。そこで中国の友人や生徒に調べてもらった。諸説あるようだが、「膝をつく」姿勢はとても不安定で、危うい(あやうい)状態なので、足偏に「危」の「跪」ができたようである。なるほど。


それより、世代にもよるが、多くの日本人はひらがなが気になる。つまり、「ず」と「づ」の違いで、語源は「ひざ+つく」なので、「ひざまづく」のほうがしっくりする。その通り。ちょうど「つまずく(躓く)」も語源は「爪+突く」なので、「つまづく」のほうが親しみを感じるのと同じかも。


事実、歴史的仮名遣いでは、「づ」の「ひざまづく」や「つまづく」と書いていた。しかし現代仮名遣いになり、「ぢ」や「づ」は、連濁など以外は、基本的に使わないことにした。


それゆえ、「ひざまずく」(跪く)や、「つまずく」(躓く)は1つの言葉として理解し、「ず」の表記が国の定めたルールとなった。日本語教師としては何となく寂しいが、

でも一応、「ひざまづく」や「つまづく」も許容されているので、ノープロブレム。

こんな余計なことまで、彼女に説明してしまったので、なぜ「躓く」の漢字に、「質問」の「質」が入っていますか? こんな恐ろしい質問が来ないことを祈りつつ。

厄介な漢字などをチェックしようと、スマホなどを見ながら、歩くのはとても危険。特にお年寄りの方は、平らな、何もない道なのに・・・、つまずく恐れあり。くれぐれもご注意ください。

こんな川柳を。

・ 老いたかな 何もないのに 躓いた

・ 跪き 怪我などせぬよう 祈らねば

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