google-site-verification=IP3Xe6lVygvLWZ1aP8J9VOsWtRdJpMK4szKM_wtu7r4
top of page
  • Youtube
  • Twitter Social Icon
  • Facebook Social Icon

《ことばの交差点》30

  • 執筆者の写真: 矢野修三
    矢野修三
  • 2025年7月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年8月6日

                日加トゥデイ 2025年7月号 掲載


☆  「伯父」か「叔父」か、それが問題だ ? 

 

 いきなりですが、「おじが二人います」と聞いて、「伯父」か「叔父」か、どちらの漢字を思い浮かべますか? 


 実は、日本語教師養成講座を受講した卒業生から、連絡が入った。「日本にいる「おじ」が亡くなったので、急に日本に行くことになりました」。さらに、「おじの漢字は『伯父』と『叔父』と二つありますが、その使い分け、日本ではすごく大事ですか?」、である。


 なるほど、とても気になるのであろう。彼女は中学の途中で、家族とバンクーバーに移住してきたので、こんな細かなことなど分からないのは当たり前。でも今では、バンクーバーで日本語を教えている立派な先生である。


 確かに、「おじ」の漢字は「伯父」と「叔父」があり、ややこしい。会話では同じ発音だから、問題ないが、メールなどに書く場合は、どっちを書けばいいか、一瞬迷ってしまう。さらに、親族以外の一般の年配男性の呼称として「小父さん」もあり、複雑である。


 でも、これは漢字の意味を理解すれば簡単。「伯」は年長の人を、「叔」は年少や

若い人を表わす漢字なので、本人から見て、父や母の兄が「伯父」で、弟が「叔父」で

ある。これは「おば」の「伯母」と「叔母」も同じ関係。つまり父や母より、

年上か年下かの違いである。


 そこで、この使い分けについて、いろいろな人に聞いてみた。二つあるのは知って

いるが、違いは微妙・・・、ちゃんと学んでいない人も多く、さらに、父方か母方かの違いかと、など様々な意見があり、世代や個人環境によっても異なる感じで、致し方なし。


 実際のところ、履歴書などの公式文書でもない限り、「伯父」と「叔父」の漢字を書き分けの場面などほとんどない。あえて漢字書きにすれば、「叔父」に。理由は「おじ」とスマホなどに打ち込むと「叔父」が最初に出てくるから・・・。なるほど!


 だが、中国では、驚くほど詳細な親族名称があり、「年齢の上下」はもちろん、

「父方か母方か」も厳密に区別されており、とても複雑で大変とのこと。


 日本でも、昭和の初期ごろまでは、両方ちゃんと分類されていたようだが、時代と

ともに、だんだん変化し、「父方や母方」の区別はさりげなく、消えてしまい、

「伯父」と「叔父」の年上、年下の使い分けだけに。さらに、昨今は形式にとらわれず、

簡単で便利な、ひらがなの「おじ」で済ませてしまう傾向にある。

正に「言葉は時代とともに・・・」の一例であろう。


 でも、きちんと学んだ年配の方、その本人宛のメールなどは「伯父」か「叔父」か、

注意しなければ失礼になる。無論、新聞記事などはちゃんと明記しており、この違いが

分かれば、小説など読む際にも、登場人物の人間関係がよく分り、役立つはずである。


 その点、英語はあっさりしている。単に「uncle」であり、よほどの理由がない限り、

年上か年下など、必要もなければ、区別もしないとのこと。


 シェイクスピアの「ハムレット」で、ハムレット王子が「叔父」に復讐する。そして

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」と悩むが、もし彼がこれを読んだら、

迷わず「伯父か叔父か、そんなの、問題じゃない」と、のたまうであろう。




最新記事

すべて表示
≪ことばの交差点≫ 38

日加トゥデイ 2026年3月 掲載 ☆ 午年は ほくそ笑みたい !   ひと雨ごとに春めく今日この頃、かなり昔に日本語教師養成講座を受講し、現在日本で 日本語を教えている卒業生M君から面白いメールが届いた。過日、彼の友人の結婚式があり、二人の「馴れ初め」を聞いて、にやりと笑ってしまった、とのこと。  彼曰く、新郎はサラリーマンで、ボーナスが思ったより多かったので、大喜び。早速、 仲間と呑み会

 
 
 
≪ことばの交差点≫ 37

日加トゥデイ 2026年2月 掲載 ☆ 「三寒四温」に 物申す    2月の和風名、如月(きさらぎ)の由来は諸説あるが、寒さが厳しく、「更に衣(きぬ)を 重ねて着る」という意味の「衣更着(きさらぎ)」が最も有力のようである。厳冬の候であり、風邪など引かぬように、衣服を更に着たくなるので、衣更着(きさらぎ)とし、中国の2月の月名である、この漢字「如月」を当てはめ、「きさらぎ」と読むことに

 
 
 
≪ことばの交差点≫ 36

日加トゥデイ 2026年1月号 掲載 ☆ 丙午の「丙」とは・・・?    遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年は午年、多くの方と馬が 合い、何事もウマくいきますように、本年もよろしくお願いいたします。    なおその上、今年は丙午(ひのえうま)である。この「ひのえうま」と聞いて、 「あらー」と反応する人はそれなりのお年の方であり、若者世代は「なにそれー」。 でも60年に一度やって

 
 
 

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
bottom of page