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外から見る日本語 231

  • 執筆者の写真: 矢野修三
    矢野修三
  • 2021年8月21日
  • 読了時間: 3分

 2021年8月 バンクーバー新報掲載

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☆ 「がんばれ ! 日本」

 一年遅れの2020年東京オリンピックも何とか無事幕を閉じた。日本は金メダルラッシュでかなり盛り上がったようだが・・・。

真夏の、しかもコロナ禍での無観客オリンピック、いろいろ大変な状況だったことは想像に難くない。


 オリンピックが始まるといつも思い出すことがある。「日本」の読み方。「にっぽん」か

「にほん」か、どっちが正式な読み方なのか? これは日本語教師になって、何回となく

受けた質問でもある。

 

 我々日本人はこんなことほとんど気にしていないが、何となく使い分けているのも事実である。「日本語」や「日本酒」などは「にほん」が一般的だが、オリンピックの応援などは「がんばれ、にっぽん」のほうが気合が入るし、「日本一」も「にっぽんいち」がいい

感じ。「日本列島」や「日本代表」そして「日本軍」などは個人差や年齢などで分かれるであろう。感情が入ると「日本脱出」などは「にっぽん」かも・・・。


 国名が二つあるのはおかしいですよね、と鋭い質問をしてくる生徒もいる。うーん。

歴史をひも解くと、平安時代に「にっぽん」が、江戸時代に「にほん」が誕生、それ以来

ずっと両方を使ってきたとのこと。昭和初期に「にっぽん」に統一しようとしたが、法的制定には至らなかった。でも確かにお札には「NIPPON」と書いてある。


 ようやく、2009年(平成21年)に政府として「両方とも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はなく、どちらでもよろしい」と正式に閣議決定。

いかにも日本(にっぽん)的ですね、と茶化す生徒もいたが、基本的には、本人の言いやすいほうでOKなので、日本語教師としては楽になった。確かに、固有名詞や会社名は両方ある。「日本橋」は東京では「にほんばし」、でも大阪は「にっぽんばし」、日本航空は

「にほん」で、全日本空輸は「にっぽん」とのこと。なるほど。


 もう一つ、夏季オリンピックイヤーは4で割り切れる年で、閏年と覚えていた。当然2020年は4で割り切れて、閏年。私が還暦になった2004年にオリンピックが行われた。もちろん我が申年であり、オリンピックは十二支の子年、辰年、申年に行われるに決まっているんだと、60歳になって初めて気がついた。こんなこと、どうでもいいことだし、ちょっと考えれば四年に一度だから当たり前。


 近代オリンピック最初のアテネ大会がスタートした1896年が閏年で申年だったから当然である。でも日本人でコゲなこと、ご存知の方は少なく、結構話題になったことを思い出す。気持ちいい「日本晴れ」の日に、「日本人」として、うまい「日本酒」を飲む。コロナなんかに負けないように気合を入れて、いずれも「にっぽん」と読み上げながら・・・。

日本語(にっぽん語)はいと楽し。


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